本のカップルへ 新しい選択肢 「エロープメントウェディング」についてインタビュー

今海外で大人気な、自然の中での2人だけウェディング「エロープメント」。

この度Bunch Weddingsは、西洋のエロープメントウェディングを日本のカップルに伝えるべく東京を拠点に活動するエロープメントフォトグラファー 兼 ウェディングフォトグラファーのHenry Delacと共同プロデュースを開始致しました。

今回、Bunch Weddings代表 YunaがHenryよりインタビューを受けましたので掲載いたします。

引用元 
https://henrydelacweddings.com/interview-with-yuna-bunch-weddings-about-elopement-wedding/?lang=ja

Interview Elopement Wedding

Henryは西洋のエロープメントウェディングを日本のカップルに伝えるべく東京を拠点に活動するエロープメントフォトグラファー 兼 ウェディングフォトグラファーです。

エロープメントウェディングはアメリカ、カナダ、ヨーロッパなどではとても人気が高く有名ですが、日本ではまだあまり知られておらず、誤った情報も多く流れています。

今回、横浜のウェディングプランナー Yuna (Bunch Weddings代表 [Instagram])にインタビューを行いました。この度、Yunaが代表を務めるBunch WeddingsとHenryがコラボし、日本在住のカップル向けにエロープメントウェディングのプロデュースを始めました。Yunaは自然の中のウェディングとはどういったものなのか、直接体験することで知識を深めました。彼女の洞察力で感じ得た貴重な意見をもとに、有意義で充実したストレスフリーなウェディングを望む日本のカップルに「本物のエロープメント」を提供いたします。

決して、日本の伝統的な結婚式のスタイルが間違いだと言っているのではありません。エロープメントは、日本の伝統的な結婚式のスタイルが、自分たちのライフスタイルや人柄にベストマッチではない、最良の選択ではないかもしれないと感じるカップルに向けたウェディングスタイルです。

私たちは、誰でも自分たちらしい結婚式のかたちを選択できる、ということを伝えたいと思います。エロープメントは「親族や友人に感謝を伝えることを排除したウェディング」ではありません。エロープメントの中では、今まで貴方を支えてくださった方々がいてこそある、今の貴方と、貴方の人生を反映したような、本質をとらえた挙式を行うことができます。

標高2000mの八方池、唐松岳、長野県 | Photo: Henry

この機会に、私たちは北アルプスへ行くことを選択しました。スケジュールの都合で日程を変更できなかったため、不安定な天候の中の旅となりました。山の天候はまるで人生のように、何が起きるか、いつどう変わるか予想もつきませんが、天気はいつも私たちにべつの観点から物事をみせてくれ、興味深い体験をさせてくれます。

白馬村、長野県 | Photo: Henry

Henry: Yunaはとても若いですよね。その年齢は、新郎新婦との関係性を築くのにどのように役立つと感じますか?

Yuna: 今年で27歳になりました(2020年現在)。有難いことに、これまで年上の方も、年下の方も、同じ年齢の新郎新婦の結婚式も沢山プロデュースさせていただきました。一般的にウェディングプランナーとしては中堅くらいの年齢ですかね?

正直私自身年齢をそこまで気に留めておらず…皆様に「親しみやすく、ウェディングの知識が豊富な信頼できるプランナー」と感じていただけるように心掛けております。

Henry: エロープメントウェディングに興味を持たれたきっかけは何ですか?

Yuna: 私は日本の伝統的な結婚式は「これから人生を共にするパートナーをご紹介し、周りの皆様に感謝を伝える」ものだと思っております。ただし、人生は十人十色であるので、誰もが同じように日本の伝統的な結婚式のスタイルを守る必要はないのではないかとも感じておりました。「結婚式に参列して楽しかったことが無い」と仰る方や「呼ぶ人のリストアップをしたり、関係性を考慮して座席を考えるのが負担だ」と仰る方の声にも耳を傾けたかったのです。

その方にとって本当に最適なウェディングをご提案するために、エロープメントという選択肢は欠かせないものだと感じました。また、今回長野の旅でエロープメントはとても有意義で、私の想像していたよりもはるかに多くの方に好まれるような新しいウェディングスタイルであることを確信しました。

Henry: それでは、私たちの「長野の旅」のお話しをしましょう。この旅で目的としていたことは何でしたか?

Yuna: エロープメントを知ることです。実際に目で見て体験することで、エロープメントについて理解を深めたかったのです。

Henry: このようなウェディングは、街にある「ガーデン付きの結婚式場」でのウェディングとは明らかに異なりますね。どのような準備が必要でしたか?また、どのようなことが待っているか、想像できましたか?

Yuna: はい、大きく異なると思います。私は山登りをした経験も無かったので、山登り用シューズやバックパックも一から揃えました。知識も浅かったのであまり想像もつかず、山用品店の店員さんとHenryから沢山アドバイスをいただくことでスムーズに準備ができました。Henryには感謝しています。

「私は山登りをした経験も無かった。。。」 | Photo: Henry

Henry: どのような日々だったか、簡単に教えてください。

Yuna: まず目的地の近くで前泊したのですが、翌日目的地に向かうのに最適な場所にあるとても素敵な所で過ごしました。Henryとアイディアを出し合いポートレート撮影をしたり、美味しい料理を食べたり、のんびりと翌日に備えましたね。翌朝目的地へ送り届けてくれる交通機関も前もって手配されました。朝、支度を済ませてから目的地へ向かい、目的場所で着替えて撮影、その日に帰宅しました。

Henry: Yunaは本当に「本当の花嫁がすること」すべてを体験したので、新郎新婦がどのような体験をし、何を感じるのか、その目で見て、肌で感じられたことでしょう。本当に素晴らしかったと思います!ウェディングに必要なすべてのアイテムをバックパックに詰め込むのは大変でしたか?

Yuna: ありがとうございます。エロープメントをプロデュースするにあたって必要で、貴重な体験だったと思います。荷物は多くなりましたが、Henryのアドバイスのもと、身体に合うバックパックを用意していたので、大丈夫でした。

アドヴェンチャー花嫁のスタイル | Photo: Henry

Henry: Yunaが用意したブーケはとても素敵でしたね。どのように運んだのですか?

Yuna: これは私の個人的なこだわりですが、ウェディングにはドライフラワーではなく生花をつかいたいのです。この意見にご賛同いただいているThe Bulb Book様にご協力いただき、生花のブーケに水の入った小さな袋をつけていただき、撮影まで持たせることができました。

Henry: 山登りは、いかがでしたか?

Yuna: やはり景色が綺麗でした。途中、お化粧室や休憩所もあったので、新郎新婦と一緒に目的地へ向かう際も安心だと感じました。途中に何度か、歩きやすくなだらかな道と、過酷だけれど最短ルートで行ける道を選べましたね。両方の道を通ってみましたが、登山経験のない方は、なだらかな道を選択されると、より簡単に上ることができるのでお勧めです。

Exploration of nature is exploration of self. | Photo: Henry
In the clouds | Photo: Henry
八方池周辺の神秘的な雰囲気 | Photo: Henry

Henry: ウェディングドレスに着替えるのは大変でしたか?

Yuna: 1人で着られるタイプのウェディングドレスでしたので、問題ありませんでした。足元は登山靴のままでしたので、ドレスのままいくつかの場所に移動して撮影することができました。平日でしたので人は少なく、人目を気にせずに撮影することができましたが、山にいらっしゃる皆様はとてもあたたかで、ドレスを着ていると明るく声を掛けてくださったのが印象的でしたね。

Getting ready. | Photo: Henry
『一緒に取り組むこと』はカップルの絆を深めます | Photo: Henry

Henry: あのような場所でウェディングドレスを着るというのは、中々珍しくとても貴重な体験だと思います。山の上で、美しい景色を見て何を感じましたか?

Yuna: 元々自然が好きなので、とてもリラックスできました。涼しくて、澄んだ空気が心地よかったです。

アドヴェンチャーブライドのスタイリング | Photo: Henry
「元々自然が好きなので、とてもリラックスできました。」 | Photo: Henry
「涼しくて、澄んだ空気が心地よかったです。」 | Photo: Henry

Henry: 日本では自宅で婚姻届けを書き、区役所で提出するのが一般的ですよね。Yunaはエロープメントウェディングの中で婚姻届けを書くことを勧めており、とても素晴らしいアイディアだと思いました!どうしてそう考え付いたのですか?

Yuna: 日本では挙式の際、「結婚証明書」に署名しますが、それは区役所に提出する「婚姻届け」とは異なり、公的な効力を持ちません。2人だけのウェディングであるエロープメントで婚姻届けを書くことはウェディングの本質を捉えており、新郎新婦にとってより思い出深い体験になるのでは、と感じたのです。婚姻届けへの署名とウェディングキスのみのミニマムなウェディングでも、加えてお互いへお手紙を読んだり、誓いの言葉を述べても良いですね。

What captures essence of the wedding for you? | Photo: Henry
エロープメントで婚姻届けを書く | Photo: Henry

Henry: もし天候が新郎新婦にとっての重要事項であれば、晴れると予想される日取りを選択する必要もあるかと思いますが、天候はエロープメントにどのように影響すると思いますか?

Yuna: せっかくのウェディングデイ、天候次第で気持ちが沈んでしまうと、とても残念ですよね。私は曇りの日も雨の日も同様に美しく、特別な雰囲気があると思います。雨の日だからこそ見える景色があり、お二人にとって特別な思い出になったりもします。日本では雨の日のウェディングは「雨降って地固まる」「天からの祝福」などとも言いますね。どんな天候も好み、新郎新婦が楽しむことがとても大切だと思います。

Mountain whispers. | Photo: Henry
Serenity. | Photo: Henry
Soul color. | Photo: Henry

Henry: 私たちは目的の場所に到着した後、山を下り、帰宅しましたね。新郎新婦はセレモニーの後、どのようなことができると思いますか?

Yuna: お二人だけで過ごす場合、近くの温泉宿などに行ってもう一泊ゆっくりできると良いですね。そのままキャンプ泊をして朝焼けをみる、というのも忘れられない体験になると思います。
他には…ご家族と会食をしても良いですね。美味しいお食事と少しの素敵な装花や装飾で、特別な空間造りのお手伝いができます。ごく近しい友人もご招待しても良いかもしれません。

Henry: 多くのカップルが結婚式は「親族および友人を招待すること」が当たり前だと思っています。この文化とエロープメントは大きく異なりますが、エロープメントはどのような新郎新婦に最適なスタイルだと思いますか?

Yuna: エロープメントは「認識」と「実感」に重きをおいたウェディングだと感じます。お二人がいよいよ結婚をするという認識と、この方が人生の伴侶となり、自分が生涯を共にするパートナーなんだと実感すること。人目を気にせずに、そういった結婚の本質を見つめ、誓いを立てることができます。また、冒険的な体験ができることにわくわくする楽しさがあります。旅行好きな方、アウトドア好きな方には特にお勧めですね。

Henry: エロープメントは「利便性」よりも「貴重な体験をすること」を重視しています。Yunaは今回の経験で、「新郎新婦には不便すぎる」と感じるようなことはありましたか?

Yuna: 目的地は山の上でしたが、前泊したところでしっかり支度ができたことや麓まで送り届けてくれる車の手配がされたこと、ロープウェイやリフトでショートカットできたことと山の上でもお化粧室や水道があったことでそこまで不便を感じることはありませんでした。ただ今回はヘアメイクの同行がなかったので、その点は必要だと思います。

One of the kind experience. | Photo: Henry

Henry: エロープメントウェディングを選択するほとんどのカップルがそうであるように、Yunaは今回初めて山の上でのウェディングの体験をしました。アウトドアの経験が少ないカップルに何か伝えたいことはありますか?

Yuna: 今回の場所は歩きやすい道を選択することもできましたし、登山経験の無い方でもハイキング感覚で楽しんでいただけると思います。山と一口に言っても色々な所がありますので、山がお好きな方は勿論ですが「自然」が好きな方にもお勧めですね。私共がお二人にぴったりの場所を探しご提案・同行いたしますのでご安心ください。

Henry: 新郎新婦が自分たちの性格やライフスタイルに合わせた結婚式をすることは、大切なことだと感じますか?

Yuna: はい。ウェディングは一生の思い出になる特別なイベントですので、自分たちのスタイルに合う結婚式を選択することが何よりだと思います。

Happiness. | Photo: Henry

Henry: アメリカやヨーロッパのカップルと比較して、日本のカップルが利用できる結婚式の選択肢についてどう思いますか?

Yuna: 選択肢はあるけれど、それを知らない方が多いかもしれません。
結婚式場に直接申し込みする以外の選択肢があることを知らない方が大多数ですよね。日本では、場所をまず初めに考える傾向がありますが、一般的な結婚式場では、場所によりできないことやきまりが全然違うので、「どこでするか」より「どんな結婚式にしたいか」から考えたほうが内面を大切にした結婚式を行えると思います。

また、日本のLGBTカップルへの選択肢の少なさは問題だと感じます。正直、私も彼らの気持ちを深く理解できている自信はありませんが、「よくわからない」という理由で結婚式場から門前払いされてしまうことがあるのは、とても悲しいことです。

Henry: 日本のカップルは未だ「主流」なブライダル業界の影響下におり、他の選択肢を知っていたり、代替案はあるかと模索する意志のある方もとても少ないです。それについて、どう思いますか。

Yuna: きっとそれをお伝えするのも私たちフリープランナーの役目ですね。カップルに本当に満足度の高いウェディングディをお過ごしいただくために、日本の結婚式に選択肢を増やし、「自分たちに合ったウェディングスタイルを選択できる」ということをお伝えしていきます。

Henry: 長くなりましたが、とても興味深いインタビューとなりました!読者の皆様、結婚式をお考えのカップルの皆様に、最後に一言頂けますか?

Yuna: ここまでお読みいただきありがとうございました。
結婚式は初めてのことで、わからないことだらけだと思います。まず何もイメージがない状態でも構いませんので、はじめの一歩としてご相談ください。

Henry: 「本当のエロープメント」を日本のカップルに伝えるために尽力してくれてありがとう。読者の方々にYunaの貴重な体験から得た想いが伝わることを願っています。

Yuna: こちらこそ、ありがとうございます。私もそう願っています。

八方池、唐松岳. | Photo: Henry
Up where we belong | Photo: Henry